BTCの説明 〜仕組み編〜
前回はBTCの特徴を掴みました。全体像を把握したら、今回はそれを支える仕組みをまとめてみます!
前回の特徴編で、BTCには①中央銀行が存在しないため、②取引情報はインターネット上に分散保存されている。という話をしました。
でも、お金のやりとりや個人の情報も含まれるだろうに、世界中の無数の端末に保存管理を任せて大丈夫でしょうか…?なぜ安心と言えるのか…
その答えは
マイニングです!!
マイニングとは「BTCの取引記録の検証、確定作業のこと」です。
BTCは一定期間ごとにすべての取引記録を取引台帳に追記します。追記の処理には、(ⅰ)ネットワーク上に分散されて保存されている取引台帳のデータと、(ⅱ)追記の対象期間に発生したすべての取引のデータとの整合性を取りながら正確に記録することが求められます。( BTCで行われた複数の取引情報を含む1つ1つのブロックを、整合性をとりながらチェーンのように繋げていくことからブロックチェーンと呼ばれています。ブロックチェーンについては、特徴編で触れたP2Pとの関係とも絡めて今後まとめたいです。)
この整合性を取る作業はコンピューターによる膨大な計算で実現できます。分散されて保存されている1つの大きな取引台帳のデータも、追記対象の取引のデータも、すべてを正確に検証してから追記しなければなりません。
そこでBTCでは、この追記作業に有志のコンピューターリソースとその計算能力を借りることによって膨大な計算を行っているのです。最初の解答者が記帳権を得ます。
この追記処理を成功させた人には、その報酬として新たに発行されたBTCが支払われます。通貨の新規発行はこの瞬間(マイニングを成功させたとき)にしか起こりません。だから、ビットコインの発展を信じる人達が次々と取引台帳の更新作業に力を注いでいるのです。
この新規発行に至る行為がマイニングと呼ばれています。コンピューターの計算能力をお金に変えるビジネスと割りきって、日夜マイニングに励んでいる人たちが世界中に存在し、そのおかげで、今日もBTCの安全性が保たれているのです。ちなみに以前述べた通り、BTCの発行総数は限られており、2,100万BTCです。
マイニングで行われる具体的な計算について、またマイニングの代表的なスタイルについては、次回まとめようと思います。
次に、BTCのメリット・デメリットを超簡潔にまとめます。
メリット①
個人間で直接送金ができる
←銀行などを仲介しなくて済むため。
メリット②
手数料が安い
←①より。運用のためのコストはもちろんかかりますが、現金を扱うために金庫や人員を多く導入しなければならない銀行と比べたら差は歴然。
メリット③
銀行や国家間による制限がない
←後者については、特に世界中で採用されるようになれば両替の必要がないため。
デメリット①
決済できる体制が整っているか微妙
←まだユーザーもBTC決済を導入している店舗もそこまで多くなさそうですし、ネットショッピングの場合は決済仲介サービスが必要になります。
デメリット②
即時決済が難しい
←送金などの取引が行われる際、内容に間違いがないかどうかを検証(マイニング)し終えたあとやっとその取引が確定します。そのため、送金してもすぐに相手先に着金するわけではありません。つまり、送金処理は即座にできても「送金内容に問題ないかチェックする工程」まで完了しないと取引データが保存されないので、ビットコインは即時決済ができないのです。
(以前述べた通り、決済に重点を置いたアルトコインもあります。)
デメリット③
価格の変動が激しい
←特徴編で少し述べましたが、BTCは本来の通貨としての役割以上に、現状では投機の対象としてとらえられており、価格変動(ボラティリティと言います)が非常に大きいです。
関連企業の動向やキーパーソンの発言などで価格が大きく動くこともあります。
そのことから、お金の「価値の保存」という性質が今のBTCには十分に期待できないといえるかもしれません。実際に金融庁が、仮想通貨を通貨と認めない考えから「暗号資産」に呼び名を変える方針をとったことも前回触れましたね。